深淵から見えた

白衣の堕天使。精神科→外科。

未来づくり

 

ガラスの割れる音

怒声

何かが壊れる音

鈍い音がした後

痛みに咽び泣く声と

襖の隙間から漏れる

蛍光灯の光

そして、

不安と恐怖で眠れない夜

 

いつだっただろう

あれから何年経っただろう

昨日の事みたいに

瞼の裏に焼き付いている光景

耳の奥にこびり付いている音

 

 

 

大切に想う人のあたたかい胸の中で

目が醒めた

頬が濡れている。

 

大丈夫か?

心配そうに声を掛けられて

ああ、夢だったんだと

現在に引き戻される。

 

もう何度こんな夜を過ごしただろう。

 

愛されている

愛している

一緒にいられてとても幸せな筈

 

なのに

一緒にいると思い出す

 

ああ

私はひととき

幸せになる事も許されないのか

一生逃げられないのか。

 

 

 

父と母は愛し合っていた筈

なのに

何故お互いに追い詰め合うのか

何故私は

あんな思いをしなければならなかったのか

 

私たちもああなるのか

 

もしそうなら

もう消えてしまいたい

 

そんな事を考えてる日々。