深淵から見えた

白衣の堕天使。精神科→外科。

再起

 

精神科を退院してから3ヶ月が経った。

あの後、私は仕事を辞めた。

 

 

 

「患者の急変対応ができるようになりたい」

そう思って一般病院の外科に行った。

挿管の介助もできるようになった。

 

また沢山の患者さんと出会った。

 

命を削ってまで生きたいと

再発するガンに対して化学療法や手術をして

必死で生き延びようとする人達がいた。

 

そんな患者さんを看護する日々で

自分がしたい事は何だろうと

自問自答する毎日。

 

精神科で患者さんの

気持ちに寄り添える看護師になりたい。

 

その思いが消えたわけじゃない。

 

でも、人の人生の最期に関わって

「いい人生だったと」思ってもらえるように

人生の最期に花を手向ける

緩和ケアの看護師にもなりたいと

思うようにもなった。

 

また、身体疾患による精神的苦痛に介入する

リエゾンの看護師にもなりたいなんて

思うようにもなった。

 

そう考えているうちに

私は何のために生き延びたのかと

また思考の泥沼に堕ちる。

 

 

 

あれ以来自傷行為はしていない。

 

瀉血したい衝動に駆られることはあるけれど

何とかやり過ごしている。

 

誰の役にも立っているわけでもないのに

のうのうと生きている。

 

そんな日々だ。